枯れた花びら、木の葉や枝。
放っておけば自然に帰っていくであろうものたち。
静かで、清らかで、優しさに満ちていて、
何よりその佇まいにはうらやましいほどの潔さを感じます。
人間の生き物としての醍醐味は抗いもがくことだよな、と思いながら、
最期は自分も彼らのような存在でありたいなぁ、という憧れに似た気持ちが生まれたのは十数年前の秋。
熊の出そうな山道で変わった色合いの落ち葉を拾い一人悦に入っていた時でした。
以来お気に入りの葉っぱを額に入れて飾ってみたり、
流木や紫陽花のドライフラワーを天井からぶら下げてみたり。
居心地の良い彼らとの生活の中で、夏が過ぎ、冬が過ぎ。
そうこうしているうちにいつの間にか出来上がってしまったのがこの作品たちです。
自分は特別な勉強をしたことはなく、持って生まれた才能やもセンスもありません。
ただ何かを作ることしかできない愚かな自分をここまで支えてくださった方々と
命を投げ打って協力してくれている自然に感謝します。
素材の皆さん:
木材(パイン材)、
葉っぱ(ユズリハ、マテバシイ、タブノキ、柿、デコポン、ニッケイ、アカガシ、サカキ)、
ドライフラワー(アジサイ)、
名前もわからない植物の皆さん